【飲食店営業許可】営業時間は何時まで営業してよい?(深夜酒類提供飲食店営業)

2025年6月7日飲食店.深夜酒類

【飲食店営業許可】営業時間は何時まで?深夜営業に必要な手続きとは

飲食店を開業する際、営業時間の設定は非常に重要なポイントです。特に、夜遅くまで営業したい場合には「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要となるケースがあります。本記事では、飲食店の営業時間の制限と、「深夜営業」の取り扱いについて詳しく解説します。

飲食店営業許可と営業時間の基本

通常の飲食店営業許可では、営業時間に明確な制限はありません。ただし、地域によっては条例や近隣への配慮から、深夜営業に制限が設けられていることがあります。また、「飲食店営業許可」はあくまで食事の提供を前提とした許可であり、酒類の提供に関しては、営業内容によって追加の届出や許可が必要となります。

深夜0時以降の営業は「深夜酒類提供飲食店営業」に該当

午後10時以降に主に酒類を提供し、かつ客にダンスをさせたり接待を伴わない飲食店については、風営法上の「深夜酒類提供飲食店営業」に該当します。これは警察署への届出制となっており、無届けでの営業は違法となります。

  • 対象:深夜(午前0時以降)も営業し、主に酒類を提供する飲食店
  • 届出先:店舗所在地を管轄する警察署
  • 根拠法令:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)

深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要な例

  • バー・パブ・スナックなど、食事より酒類が主な提供内容
  • カフェやレストランであっても、深夜0時以降も営業し、"酒類"を中心に提供している

逆に、深夜営業であっても「主に食事の提供」がメインである場合は、届出が不要となることもあります。判断が微妙なケースもあるため、事前に警察署や行政書士などに相談することをおすすめします。

風営法との兼ね合い

深夜0時を過ぎても、接待を伴う営業(いわゆる風俗営業)を行いたいという要望は少なくありません。
この場合、「深夜酒類提供飲食店営業」と「風俗営業許可」の両方を取得すれば営業できるのではないかと考えがちですが、風営法では、風俗営業については深夜0時以降の営業が禁止されています。

したがって、深夜に接待などを行うことはできず、以下のいずれかを選択する必要があります。

  • 接待を伴う営業を行うが、営業時間は深夜0時までにする

  • 接待を行わず、深夜0時以降の営業(=深夜酒類提供飲食店営業)を行う

このように、「深夜酒類提供飲食店営業」と「風俗営業許可」は同時には成立し得ない関係、つまりトレードオフの関係にあります。

なお、「0時を境に業態を切り替える」といった営業方法(例えば、0時前までは接待あり、0時以降は接待なしとする)は理論上可能に見えるかもしれませんが、実態として明確な区分が困難であることが多く、許可が下りなかったり、なし崩し的な運営として違法と判断される可能性があります。
そのため、深夜営業を計画する際は、業態と営業時間を明確に区別し、適切な届出や許可を得たうえで運営することが重要です。

届出をせずに深夜営業を行った場合のリスク

届出をせずに深夜営業を行った場合、営業停止や罰則を受けるおそれがあります。また、近隣住民からの苦情やトラブルが発生することもあり、地域との信頼関係にも影響します。

営業時間の設定と地域ルールの確認が重要

営業時間の上限は原則として自由ですが、以下の点に注意が必要です。

  • ビルやテナント側の契約で営業時間に制限があることがある
  • 商業地域であっても、深夜営業に反対する住民がいる可能性がある
  • 都市計画や自治体の条例により、深夜営業が制限されている場合がある

まとめ:深夜営業を検討するなら届出と配慮を忘れずに

飲食店で深夜営業を行うには、「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要な場合があります。営業スタイルや提供内容、地域の環境に応じて適切な手続きを行い、トラブルのない営業を目指しましょう。

不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することで、スムーズに手続きを進めることができます。